「肉体言語で勝負じゃ!」

美代

「それが一番手っ取り早いわね!」

緋和

「なんでーー! なんでそうなるのーー!」

緋和が俺の言いたいところを代弁してくれた。

本当になんでそうなるんだよ! 今のは協力しあう流れだろうが!

美代

「外野は黙ってなさい! こいつとの勝負は絶対に負けられない戦いなのよ!」

「それはこっちの台詞じゃ! 貴様に勝って気持ちいい朝を迎えてやるわい!」

平和を願う俺の希望は空しく砕け散り、その間にも憎しみの炎は燃え盛っていく。

「ふぬぬぬぬぬ!!!」

美代

「ぐうっ! うううううううううう!!」

緋和

「二人とも、女の子がだしちゃいけない声だしてるよー!」

いや、二人とも男の娘……つまり男だからそれはいいんじゃないだろうか。

「な、なかなかやるではないか! 至上の神たる、この妾と張り合うとは!」

美代

「お姉ちゃんの底力、舐めるんじゃないわよ! こっちはまー君が物心つく前からじっくり調教して……」

美代

「じゃなかった! 洗脳していたんだから!」

それ言い直す意味ある!? どっちもすっごく怖いんだけど!

「こちらとて、雅人が生まれる日から夫と定め、以来、魂魄となりて見守ってきたのじゃ!」

「封印より千年越しの大願、そなたの横槍で邪魔されてたまるか!」

こっちも重い! この執着がちょっと怖い!