美代

「クス……♪」

雅人

「って、何その格好! メイド!?」

「その姿は、少しジャンルが違うんじゃないかのう」

うん、それには俺も同意する。というか異文化すぎてちょっと驚いた。

美代

「ジャンル違い……ふ、あさはかな……」

美代

「これぞとある特定の人への奉職に特化した……いわば特別な巫女衣装なのよ!」

雅人

「ええ!?」

その理屈はどうなのだろうかと思う……まさしく、理屈と膏薬はどこにでもくっつく。

美代

「勝負よ媛神!」

緋和

「へ……」

「ほう……」

勝負ときいて結様は面白そうに顔をほころばせた。

美代

「たとえ神といえども、この神社のアイドルの座を渡すものですか!」

緋和

「えええー!! 何時の間にそんな話になったの~~!!」

緋和が驚いているところをみると、どうやら利用されていただけらしい。

~ 中略 ~

「神、降臨じゃ♪」

美代

「んがっ!」

雅人

「……!」

なんと……

そこには、美代さんと同じくメイドの衣装を着た結様の姿があった! しかもゴシック!

参拝客A

「おお……神じゃ……新たな神が降臨なされたぞ……」

参拝客B

「若い子……いや、若い神はええのう、あんなに薄着で肌を露わにして……」

「ほ~~れ、モエモエきゅん、じゃ♪」

氏子A

「ゴスロリメイド、猫耳! 絶対領域! ありがとうございます! 数え役萬ありがとうございます!」

氏子B

「まさしく神だ! これは素晴らしすぎるぅぅ!!!」

「ものどもとくと眼に焼きつけよ! 神を仰ぎ見るその栄誉! 末代までの誉れとするがよいぞ!」

参拝客全員

「ははーーー!!」

美代

「ぐうっ……!?」

結様は言葉一つで、参拝してきた氏子連中も全員巻き込んで平伏させてしまった。

その様子をみて、美代さんも分の悪さを察したのか苦しそうな声をあげる。