御影
「可愛い私に急接近されて、意識しているんでしょ?」
伊織
「ええ、とっても可愛いわ。ドキドキする」
御影
「そ、そう……」
私が素直に認めたのが意外だったのか、彼女は恥ずかし気にそっと目をそらす。
その様子は楚々とした恋する乙女が、愛しい人を前にして照れているかのように見えた。
御影
「んっ……」
ここからの後が続かないのか、もじもじとしてどう行動すればいいか考えているみたいだ。
小動物のように可愛らしく、愛おしかった。
伊織
「キス、しないの?」
御影
「え……!」
伊織
「だって、ここまで接近するってことは目的は一つでしょ?」
御影
「そ、それは……そうなんだけど……うん……」
するつもりだったのかな?
直前になって私が素直な態度を見せたから、調子が狂ってしまったのだろうか?
もし、そのつもりなら大歓迎なのに。